Steemit Meetup in Tokyo
先日、東京にてSteemitのCEOであるNED氏()を招いてが行われました。縁があって呼ばれて、通訳役を務めてきました。当日は風邪の引き始めで、やっと今日良くなったので、当日の内容およびSteemitチームが開発するSMTの内容と意見を書いていきます。
内容について
NED氏が当日プレゼンテーションをした内容を思い出せる範囲で書いていきます。まとめたほうがわかりやすいのですが、せっかくなので当日の状況が伝わりやすいように、細かいところも覚えている範囲で書いていきます。
SteemitチームはCEOのNed、ビジネスサイドのDavid、Nedの兄弟のHenryの3人で来ました。
開始の時刻になると短いムービーが流れ、その後Nedがプレゼンをするために前へでました。通訳しなきゃと私も前へ出て端に行きました。
Nedは、日本のコミュニティに対して開催に対するお礼の後、今回の目的はNed自身が日本のコミュニティの状況を知ること、そして情報を提供して盛り上げていくことだとプレゼンを始めます。
その後「steemit.comが日本語訳されたことを知っていますか」、という問に対して会場の8割程度が手を上げていたように思えます。
本題に入り、Steemの仕組みについて説明がされました。説明自体はホワイトボードに絵を書きながら話し、初めての人に概要がわかる抽象度で進みます。
以下、思い出せる範囲ですが、内容になります。
steemのブロックチェーンはデータベースと思ってみてください、そしてそのデータベースには2種類のデータが組み込まれています。
その2種類とは
- 暗号通貨のデータ
- コンテンツマネジメントシステム(ブログ・記事・投票・評価・アカウント等)
のことで、このデータベースを常に更新していくことでsteemブログが実現されます。
このデータに関しては、投票により選ばれたコンピュータ(ノード)が通信し合い、同期することで更新し続けます。 ノードはデータを維持・更新する仕事の対価としてコインを受け取ることができ、それがインセンティブとなりブロックチェーンが生成され続けます。そして、あるユーザがsteemブログ上で記事を書くとその情報がノード通じ更新され、評価されることでコインが著者に配布されます。
この成果物に対して報酬を与える流れ・仕組みをProof of Brainと呼んでいます。
※
Proof ot ○○と聞くと、PoWやPoSの類と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そういったコンセンサス・アルゴリズム(ノードが合意形成をするためのルール)の話ではなく、あくまで考え方や通称と思ってください。コンセンサス・アルゴリズムについては、DPoSを採用しています。(選ばれた代表者がブロックチェーンのブロックを検証・生成するので、Delegated=委任+PoSでDPoSと呼ばれるアルゴリズムを採用しています)
これらのデータベースを維持するコンピュータは、投票によって選ばれ、Witnessと呼ばれます。もしこれらのノードが不正をすると、報酬は受け取れず、ネットワークから除外されます。そうすることでデータの正当性を保っています。
steemitブログのようなコンテンツに報酬を与えるシステムにD.tubeがあります。D.tubeはブロックチェーン×Youtubeのようなもので、動画コンテンツに対して報酬が得られます。これは1例で、その他にも350以上のアプリが生まれてきています。
メインストリームのビジネスがどんどん仮想通貨を絡めてくると想像していて、5~10年で100,000人の起業家がsteem上でアプリを作るという目標を掲げました。
このゴールを達成すべく、現在steemチームはSMT(Smart Media Token)を開発しています。これはEthereumでいうところのERC20のようなものです。
※つまりEthereumでERC20という規格のトークンを作れるように、SteemチェーンでSMT規格のトークンが作れるということです。
※起業家という単語が少し印象的で、クリプト界隈というよりIT/Web業界な雰囲気です。
既存のメディアがSMTを作り、そのメディアに仕組みとして組み込むことができます。先程伝えたDtubeも例えば独自トークンを作ることができます。
起業家がSMTを採用すると良い点は大きく3つあります。
- 資金調達
- マネタイズ
- グロース
1.これはSMTを発行する際に、トークンセールという形をとることも可能なので、起業家が資金調達の手段としてSMTを使うことができます。(※これはERC20などと同じではあります。)
2.Steemitのようにユーザが報酬を得ることができるようになるわけですが、そのうちの○○%をプラットフォーム側(例:SMTを発行したサイト側)に手数料として回すという設定もできるため、SMTを採用したメディアはマネタイズできるようにもなります。
3.報酬を得られるというインセンティブを、ユーザに与えられるため、使うユーザが増えやすくなり、メディア等をSMTを使ったプラットフォームはユーザを獲得しやすくなります。
またアカウントベース投票と呼ばれる仕組みでコンテンツが大衆に投票されることで、コンテンツの評価がわかりやすくなり、良いコンテンツ(例えば記事)が見つかりやすくなります。
※具体的には、
- 記事A ($100)
- 記事B ( $30)
- 記事C ( $10)
などとなったときに評価されている記事がわかりやすくなるという感じでしょうか。
ここの詳細についてはホワイトペーパーを書いているところとのことでした。
質問について
その後QA時間となり、Ned氏から椅子を置かれ隣に座りました。SMTの評価の仕組み、ノード(witness)はどう選ばれるのか、トークン数(SP、SBD、STEEM)をシンプルにできるのか、などの質問がでました。また最後には、SMTを今後どのように使えるようになるかといった質問がありました。
最初に2018年末には使えるようになる見込みで、その前に、テストをする予定とのことです。例えばどのようなUI/UXならトークンを発行しやすいか、といったことも含めて、コミュニティとテストをしたいとのことです。
SMTに関して
上では挙がらなかったことを公開情報から少し補足をします。
起業家や一般ユーザを狙っているようで、SMTを採用したウェブサイトのオーナーが自由にパラメーターを選べるカスタマイズできます。トークン発行後に変更することもできます。
またsteemはインフレ設計(あとからトークンを放出する形)となっていますが、ポスト・投票システムを使うことで、インフレレートから配布アルゴリスムまで、自分のプロダクトに起業家がフレキシブルに選べるようになります。
しかしこういった独自トークンを作るようになると、マイナーなトークンである限り、交換の機会が見つからない「流動性の不足」という課題がつきまといます。
その解決のためにSMTトークンには、BancorライクなDEXがビルトインされる予定で、数式による随時レート計算をし、常に流動性が保たれる予定です。
また、SMTのICOコントラクトではトークンを売るときの、上限キャップあり/なし、STEEMトークンや他の仮想通貨を受け付けるなどテイラーメイドできるようです。
上記のようなことはEthereumのチェーンでも実現できないことはないですが、目的に特価したほうが強いのは、どの製品をとっても明らかなため、SMTを使う企業が増える可能性は十分にあるように思えます。
通訳について
今回初めて通訳をしてみましたが、以下のような難しい点が把握できました。
- 自分の意見性を排除する。
- 記憶する必要がある。
- 必要によっては補足する。(
1.とは矛盾しないよう。)
1.自分の意見性を排除する
聞いている人はスピーカーの話を聞きたい/理解したい、わけで、
通訳者はそれを助けるのが仕事です。
つまり、忠実にワードチョイスすることが必要です。
特に助動詞(例:しなければならない、すべきだ)や副詞(例:物凄い、明らかに)といったカテゴリは意見性を持つため、
それがスピーカーの意見なのか、通訳者の意見なのか、混同しないようにこの部分のワードチョイスに注意する必要があります。
2.記憶する必要がある
翻訳機を使ったリアルタイム通訳でないため、キリの良いところで区切って通訳をしました。1文章ずつ訳していてはプレゼンの体を成しません。話の内容として意味が通じるところで区切り、前半の内容を覚えていないといけないため、ワーキングメモリにキャパが必要になります。また今回はスピーカーとも初めてお会いし事前に打ち合わせたわけでもなかったため、記憶の部分に頭を使いました。
3.必要によっては補足する
これは1.と矛盾する方向ですが、訳しても大半の人にクエスチョンマークが出ると想像できた場合、通訳者は補う必要があります。
例えば紛らわしい単語の代表であるオラクルという言葉が一瞬でたのですが、もう割り切って補足をしました。(それをするべきかどうかの判断は、自分の感覚で仮定を置く以外ありません。)
上で書いたようあくまでスピーカーの内容を伝えることが役割であるため、補足をし、そして「この補足は自分の意見である」ことを伝える必要もあります。
1-3をまとめると、通訳者は基本的にはプロトコルになりきり、必要であればアプリ(Dapp)も開発する0xのような存在になる必要がある、といえばわかりやすいでしょうか()
最後に
会を開いて読んで頂いたSteem日本コミュニティの皆さん、そしてsteemチームの皆さまありがとうございました。