昨日の私の記事お茶教室を読まれて、
小学校でのお茶教室に興味を示して下さった方が多くいらしたので、
今日は“美味しいお茶の淹れ方講座”をさせていただきます。
お盆の上には、右から 湯冷まし 急須 茶碗3個が乗っています。
その向こうにあるのは、茶托3枚と茶缶とポットです。
煎茶の作法は茶道の流派によって違いがありますが、
いつも私がお茶教室で手ほどきするのは、日本茶インストラクター協会員が統一して行っている手順によるものです。
お茶の甘味や旨味を味わうお茶の淹れ方です。
3人分のお茶を淹れてみます。
手順 その1
お湯を冷ます。
まず、湯冷ましにお湯を注ぎます。
お湯は別の器に移すごとに5℃から10℃温度が下がります。
それは器の材質や季節によっても違ってきますが、冬場は10℃位は一気に下がります。
約90℃のポットのお湯はこれで80℃ほどになりましたが、あと10℃下げるために、更に茶碗に移します。
これで約70℃になりました。
勢いよく上がっていた湯気も、かなり治まってきましたね。
湯冷ましに茶碗を使うのには、お湯を冷ます目的の他に、お湯の量を測る、茶碗を温めるという利点もあります。
お湯が少なかったり、多かったりしたらここで調節して下さい。
とくに、寒い季節には茶碗が温まっていることもおもてなしですね。
手順 その2
茶葉を量る。
100㌘1,000円からの少し上等なお茶をご用意下さい。
茶葉は1人分茶匙1杯。約3㌘。
3人分を急須に入れます。
濃いお茶がお好みでしたら、少し多目にして下さいね。
手順 その3
茶碗のお湯を静かに急須に注ぎ、蓋をして静かに1分待つ。
(深蒸し茶の場合は30秒くらい)
急須を振ったりする必要はありません。
お湯の中で針のように細く撚られていた茶葉がゆっくりゆっくり広がっています。
蓋をして待つ時間はお茶によって違います。
何度か試して、好みのお茶になる待ち時間を掴んで下さい。
手順 その4
『回し注ぎ』で注ぎ分ける。
茶碗3個に、同じ量 同じ濃さ で注ぎ分けるために、『回し注ぎ』をします。
端の茶碗から 1 2 3 と注いだら 3 2 1 と戻ります。
そして更に 1 2 3、3 2 1…
それを何度か繰り返し、最後の一滴まで注ぎ切ります。
手順 その5
茶碗の下を布巾で拭いて、茶托にのせる。
お茶を淹れている途中でお湯がこぼれて茶碗が濡れていることがあります。
濡れたまま茶托に乗せると、茶碗を取るときに茶托が付いてきて、途中で落ちたりする事があるかもしれません。
茶碗の高台を拭いてから茶托に乗せて、お客様にお出しするのも大事なおもてなしの作法です。
いかがでしたか?
淹れ方はとても簡単ですね。
これで一煎目は 甘味 旨味 のあるお茶を楽しんでいただけるはずです。
ポイントはお湯を二段階で冷ましてから注ぐところです。
では、何故お湯をさますのか…の説明をさせていただきます。
味の成分の溶け出し方
お茶の味を作っているのは主に
甘味旨味成分の テアニン
苦味成分の カフェイン
渋味成分の カテキン
の3つです。
そのうちのテアニンはお茶特有のアミノ酸なのですが、これはお湯の温度に関係なく溶け出すという性質を持っています。
もちろん水や、更に氷水でも溶け出してきます。
一方、カフェインとカテキンはお湯の温度が80℃以上になると一気に溶け出すという成分です。
それ以下ですと、少ししか溶け出して来ません。
ですので、70℃のお湯で淹れたこのお茶には甘味旨味のテアニンはたっぷり含まれますが、渋味のカテキン,苦味のカフェインは微量だということになります。
…以上、甘味旨味を味わうお茶の淹れ方をご紹介しましたが、
もちろんお茶はこう淹れなければならないーなんてことはありません。
お湯の温度、お湯の量、茶葉の量、蓋をしてからの待ち時間を調節することによって、お茶はいろいろに味を変えることを知って頂いて、
自分の好みの味で楽しんで頂きたいと思います。
好みに合わせて楽しめる…それが煎茶の面白さであり、難しさでもあるといつも感じます。
時には、ペットボトル入りではないお茶を楽しんでみませんか?