}
「ミニマリズム―30歳からはじめるミニマル・ライフ―」を読み終わりました。
良い本でした。
著者はジョシュア・フィールズ・ミルバーンとライアン・ニコデマスという、30歳(執筆当時)の男性ふたり。
ふたりはオハイオ州の若手企業人として成功を収めていましたが、それぞれのきっかけで「ミニマリスト」を目指すようになりました。
この本は彼らが運営するブログ「The Minimalists.com」に掲載されたエッセイより、特に重要な29本を抜粋、再編集して作られたものです。
日本でも数年前から「ミニマリズム」「ミニマルライフ」といった言葉が聞かれるようになりましたが、私は「断捨離みたいなもんでしょ」くらいの認識で、その内容を深く知ろうとはしていませんでした。
(その「断捨離」自体、本質はよく分かっていなかったりします…)
また私は元から「モノ」への執着がなく、買い物もあまりしませんし、所持品も不要となればバンバン捨てる方でした。
家に遊びに来た友人からも、「あなたの家、相変わらずモノがないわね~」と言われるくらい。
そのことを少し自慢にも思っていました。
…子どもが生まれてからは、またモノが増えてしまったと感じていますが。
だから物欲やモノへの執着がほとんどない自分が、敢えて「ミニマリズム」を学ぶ必要はないと思っていたのです。
それどころか、既に自分はミニマリスト(初級)を名乗ってもいいくらいじゃないかと、密かに思っていたくらいです。
だけどこの本を読んで、一番重要なポイントは<モノを持つか・持たないか>ではない、ということが分かりました。
いくら大きな家に住んでも、高級車を乗り回りしても、人々が憧れるような品物を買い漁っても、幸せにはなれない。それは、著者の二人が経験した通りなのでしょう。
でも、最低限必要なモノ以外の持ち物を捨て、スケジュールや人間関係も不必要なものを削ぎ落として、モノや時間や人付き合いに圧迫される生活をやめれば、それで幸せになれるのか?と言ったら、そういうわけでもない。
この本に書かれているのは、
これまで物質的な側面にばかり向けられていたエネルギーを、自分の心身の健康の向上や、内面の成長・充実を図るために注ぐことによって、結果的に意義深い生活を送ることができるようになる
ということなのだと思います。
だからこの本の第6章に書かれている「パッションとミッション」というやつが結構重要で、自分の夢、やりたいこと、情熱を注げるものを見つけ、それを生活の中心に据えることが大切。
著者の一人、ジョシュアにとってのパッションとミッションは「エッセイや小説の執筆、そして他者に貢献すること」でした。それを追求するために、高給を得ていた仕事を辞めたのだと言います。
彼は自分にとって本当に大切なものだけをピックして、それ以外の余計なものを捨てたのです。いま、自分が前々からやりたいと思っていたことに集中できている彼は、幸せなミニマリストです。
彼らのミニマルライフには共感したし、真似してみたいとも思ったけれど、単にモノを捨てまくって所持品を最低限にすればOK、というものではないですね。
ミニマリズムは、ただの手段。
自分にとっての最優先事項である、パッションとミッションを明確にすること。
そのことなくしては、いくら所持品を極限まで減らしたところで充実した人生を送ることはできません。
人生の目的がなければ、ミニマリストになる意味はない。
自分がやりたいことを実現するための手段として、ミニマリズムが役立つことはあるけれど、ミニマルライフそのものは目的にするべきものではないのでしょう。